三谷龍二著「すぐそばの工芸」
木工家・三谷龍二さん著の新刊「すぐそばの工芸」。9つのキーワードに沿って生活工芸をひもとく良書です。自らのものづくりだけでなく、陶芸家、金工作家、和紙作家など他の素材を扱う作り手や年代の違う作家と対話を重ねながら、私たちの実感に近い工芸を見ていくという、三谷さんの視野の広さと日本の工芸の行く末を想う気持ちが伝わってきます。作り手が作り手に聞く4つの対談、台湾「小慢」の謝小曼さんとの対話も見どころです。私はといえば、その対談のまとめを仰せつかりました。作り手の”言葉”は工芸への愛にあふれ、深いです。本のテーマを手触りを通して感じられる、サイトヲヒデユキさんのブックデザインも含めて、手にとって体感していただけましたら。